高原の夏 温泉に浸り 巨木に会いに行く

    分け入っても分け入っても青い山  種田山頭火

突然の梅雨明け宣言と供に夏はいきなりヒートアップしてきた。昨日は家庭菜園の雑草取りで熱中症になるかと思うほど働いたので、今日は高原の温泉でゆっくりしようとツーリングに出た。

私が好きな温泉は万座温泉だ。硫黄の香りがする白濁湯が溢れる湯治場の風情がまだ残る豊国館がお勧めだ

万座温泉に向かうには中野市から志賀高原経由の国道292号線を使うのが最も簡単だが交通量が多く、私の鈍亀ハーレーでは気を遣う。私はいつも高山村から万座温泉へ直接抜ける112号と466号線を使う。この道はカーブは多いが整備されていて走りやすい。交通量も少なく風景を愉しみながらゆっくりと上れる。ちなみに112号線は直進すれば行き止まりとなり毛無峠となる。ここも絶景ポイントなので一度は訪れることをお勧めする。

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  途中で一休み 来たアルプスの山々を望む

万座温泉到着前には深緑の水をたたえ、静けさに満ちた牛池がある。澄み切った水底に生える藻の色で深緑色に見える。秋には紅葉が美しい小さな池である。

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  小さくても存在感のある「牛池」

万座の温泉宿も大手資本の豪華なホテルが多いが、私がいつも立ち寄り湯で訪れるのは豊国館である。湯治客が食材を持ち込み、自炊しながら長期間湯治するまさにひなびた宿である。入浴料は500円。貴重品は自分で名前を書いて帳場に預ける。きしみ音がする板張りの廊下を行くと露天風呂がある。この色が良いのだ。

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一応混浴だが最近は女性はタオル装着可というお達しが出て、タオルを巻いてはいる無粋な女性客が増えた(スケベオヤジの個人的意見です)昔は良かったなぁ。
ちょうど熟女軍団が出た後、貸し切り状態になっていたので写真を撮った。昨日の疲れを取るにはちょうど良い。ゆっくりと気兼ねなくお湯につかり、太陽の陽射しを全身に受け、また湯に浸かるという贅沢な時間を過ごした。

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昭和の香りがする帳場前のくたびれたソファーでくつろいでいるとギャル軍団が到着。オヤジは今来たような顔をしてもう一度風呂へ戻る勇気もなく、かといって入浴中にこのギャル達が来たらちょっと焦ったな、と思う次第であった。ドウセヤツラハ タオルヲマイテイルンダ

万座温泉を出て志賀高原へ向かう。高原の空気は澄み切り、気温は体温を下げるにはちょうど良い。空はあくまでも蒼く、雲は舐めたくなるほど白い。山々は山頭火の句のままにどこまで行っても生命感溢れる緑である。

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そこから奥志賀、雑魚川林道を経由しカヤノ平へ向かう。


雑魚川には古来種の日本イワナが生息している。放流をあえてしないので純血が保たれている。職業漁師がいる川でもある

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  清流「雑魚川」

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  カヤノ平の牧場

カヤノ平には毎年必ず会いに行く欅の巨木が立っている。深雪に耐え、大きく枝を張る巨木にまた会いに来た。こいつはこの先まだ何十年もここで風に吹かれ、日に焼かれ、雪に埋もれて静かに立ち続けていくのだろう。私が生ある限りここに来ても、きっとこいつはその巨軀をいささかも変えず、私の訪問を受けてくれるのだ

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  この木はもう何年ここに立っているのだろう

カヤノ平をそのまま直進すると木島平村に出る。暫く深い山の中の道を走ることになるが、交通量は少なく、熊の巣でもある。たぶんこの写真を撮ったときに、周囲5Km四方には私と熊さんしかいなかったのではないだろうか。当然エンジンを切らず音をたてたまま写真を撮った。

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   常に熊の気配が・・

ブレーキがフェード気味になり始めた頃、やっと下りが終わり木島平村に着いた。ここの馬曲温泉(まぐせおんせん)も見晴らしが良く、気持がよい温泉である。山々を眺めながらゆっくり浸るにはとても良い温泉だ。信州は温泉の宝庫、この辺りには数多くの温泉があり、お湯の色だけでも透明、白、茶、赤と、よりどりみどりだ。また追々紹介させてもらうつもりだ。

時間はすでに2時に近い。さすがに腹が減った。昼飯を食わなければと急いで豊田村の鳥正に向かう。ここの鶏の唐揚げはニンニクたっぷりで、その量も凄いのである。このところ蕎麦やうどん、野菜ばかり食べていたので白い飯と肉をがっつり喰いたい。しかし到着したのは2時10分!すでに看板は着方付き、暖簾は仕舞われていた。しかも駐車場にはオートバイが二台と自動車が1台止まったまま、まだ食事中なのだろう。「惜しかったね」と店の中から言われたような気がした。

しかしオヤジはめげない。こうなったら速攻で柏原へ向かい、樹林の「厚切り味噌かつ定食」を食うのだ。何が何でも今日は肉をがっつり喰うのだ

樹林は客はいなかったが開いていた。常連というわけではないが、年に何度かハーレーでふらっと来るオヤジを覚えていてくれるようで、気持ちよく受け入れていただいた。そしてオヤジは饗された3センチほどの厚みがあり、甘味噌がかけ回された。熱々でさくさくのとんかつに食らいつくのであった

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  旨いとんかつとはこういうモノだ

この樹林から数分の所の黒姫山を仰ぐ、いつもの田んぼのあぜ道で、無事戻ってきたという証拠写真を撮る。今日の黒姫山はわずかに霞を纏い、田では雑草を焼く煙がのたりと漂い、何とも良い感じである。

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農道の傍らで売っていた、もいだばかりのトウモロコシをお土産に買い、家への途に就いた。
茹であがったトウモロコシの実の色。この色も私には夏の色である

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 プチッとはじけ、甘い露があふれ出る


  心ややにおちつけば遠山霞かな  種田山頭火



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海鮮丼を食いに海まで疾走れ!

  投げだして まだ陽のある脚    種田山頭火

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いきなり投げ出した足の写真で失礼する。ただ海鮮丼の店が開くまで待っている時の写真と、山頭火の句をかけただけだ。もっとも山頭火なら草鞋だが・・

このウエスタンブーツはトニー・ラマのペコス、もう十年以上履いている。だいぶ革が弱ってきているのだが、そういう靴こそ履き易いのだから仕方がない。ラナパーを含ませながらまだまだ履き続けるつもりだ。バイクに乗る時はこのトニー・ラマかレッド・ウイングのアイリッシュセッター。履き慣れるまでに時間と痛みを伴うが、その後の人生を共に歩んでくれる靴達だ。

  歳を重ね ライフスタイルがますますラギット化してきた

(ラギッド:Ragged=無骨な、飾り気のない、あるいは丈夫な, しっかりしたという意味)

前のブログで書いたように二週間前にホットラン製のマフラーを取り付けたが、ベントの角度が若干違っていたので排気漏れを起こしていた。仕方なくショップのお世話になり、アーク溶接でベントを付け直し、装着完了したので試運転。溶接でステンレスのエキパイが焼けてしまったので改めてバフをかけ、ピカピカになったエキパイの焼き直しを兼ねツーリングに出た。

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先日の土砂崩れで通行できなくなっていた国道406号から「白沢峠」へ向かう。以前このブログでも紹介したが長野市から鬼無里を抜け白馬に至る道だ。
真っ暗なトンネルを抜けると目の前に北アルプスの絶景が広がる。その感動を久しぶり味わいに行った。元々路面状態が悪い「酷道」だが、災害復旧の途中でもあり前にも増して「酷道」状態だ。路面は至る所で剝がされ、砂利がひかれている。重量バイクには辛い箇所が十数カ所有った。
これから訪れる方はコーナーの手前ではスピードを落として欲しい

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そんな苦労を帳消しにしてくれる絶景に、今日も出会えることが出来た。

白馬村に下る道も同じように「酷道」なので気をつけていただきたい

白馬に来たときは必ず訪れ、バイクを停めて写真を撮る「松川河川敷」に入る。今日は珍しく入り口ゲートが開放されていて、車が数台入りスケートボードを楽しむ人たちがいた。そして定位置で白馬岳をバックに写真を撮る。
さて糸魚川に向け一気疾走りだ。

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本日の目的地は糸魚川市の「漁師の店 傳兵」。数日前に地元テレビ局の番組で紹介されていた12種類の魚介類が贅沢に盛り込まれた「海鮮丼」を食しに来たのだ。

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11時開店とネットに書いてあったので、10時50分に到着。実際は11時30分開店、しかも今日はテレビの影響で「予約のお客さんで一杯なんですよ〜」だとさ。
「残念〜」とがっくりしていると大将が「カウンターでも良ければ1名分ぐらい何とするよ」と神対応!良い店じゃないか。その後も来る客で予約していない人たちは断られ、すごすごと帰って行った。ほとんどが長野、松本ナンバー。

外の日影で40分待ち、暇をもてあましているときの写真が冒頭の物だ。そして開店と同時に予約客が流れ込む。私もカウンターへ。全員の注文が「海鮮丼」なのですでに用意されていたのはご愛敬。

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これで1800円也 コストパフォーマンスはかなりの物だ。そして新鮮で美味い。特に甘エビは大ぶりで本当に甘いのだ。地魚も深い味わいがありコリコリでたまらんのだ。
大将にお礼を言って大満足で店を後にする。

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  飯のうまさが 青い青い空   種田山頭火


海沿いの国道8号線を走り、道の駅「マリンパーク能生」で食後の休憩。ここでオヤジは回りの目を気にしつつソフトクリームを食す。真夏の太陽は一気にソフトクリームを溶かす。

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この写真を撮るときに危うく上のソフト部を落としそうになった。アブナイアブナイ

暫く8号線を上越方面に走ると藤崎海水浴場に着く。ガードレール無しで愛車と海を一緒に写真を納められる貴重な場所だ

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ハンドル越しに海の写真を撮る。若い頃、航海士志望だったオヤジはこのまま海に乗り出してしまいたい衝動に駆られるのだ。

 海見れば 波音ききたく ちよいと下車する   種田山頭火

以前から気になっていたのだが有間川漁港の山側に一本のケヤキの巨木が立っている。時間があるので今日は山へと車体を傾け、探索に向かってみる。
そこは出来たばかりの「たにはま公園 海が見える丘」という広大な公園だった。芝生広場が整備され大勢の親子連れがバーベキューを愉しんでいた。

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海を望む公園に立つケヤキの巨木、絵になるじゃないか。

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暑さはピーク、上越のコンビニでノンアルコールビールを飲み干す。

「さあ家に帰ろう」

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黒姫山、妙高山をバックに柏原のあぜ道で写真を撮った。山の民はこの風景を見るとやはり心が落ち着くのだ。タンクを満タンにし無事帰宅。本日の走行距離は下道だけを使い225Km。新しいマフラーのパイプ径が4incなったせいか燃費が向上し24Km/Lを記録した。

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海のお土産にと上越の笹団子を買ってきた。

家内が好きなアッサリしたあんこたっぷりの餅を、夕食前にもかかわらず渋いお茶でいただいてしまった。

   すすめられて これやこのあんころ餅を一つ   種田山頭火

ゆっくりと風呂につかる。心地よかった疲れが湯に溶けだしてゆく。日焼け止めを塗ってはいたが、二の腕と顔は本格的な夏を前にすっかり日焼けしていた。

          「そしてまた夏が来る」
プロフィール

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Author:cjjfish
信州からオートバイ乗りのオヤジがツーリング、燻製作り、家庭菜園のことなどを種田山頭火の句と織り交ぜ書き連ねます

  山あれば山を観る
 雨の日には雨を聴く
    春夏秋冬
  あしたもよろし
  ゆうべもよろし
すなおに咲いて白い花なり

   種田山頭火

Twitter つー坊 @cjjfish

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