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徒然に オヤジの覚悟

  雨だれの音も年とつた  種田山頭火

今年の冬は暖かい。暖冬というわけではなく雪はそれなりに降った。
二十数年ぶりに絵を描き始めたオヤジは、リハビリにはちょうど良いA5サイズの小さな絵から描き始めた。

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散歩の途中に採ったカラスウリ

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「額装」すれば結構見栄えがするものだ

だんだん描き慣れてきたので絵のサイズも大きくなってきた。

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タッチと紙を替えて描いてみた

残りの人生を考えると、今更油絵や水彩画の復活に手を染める時間的余裕がないオヤジは「鉛筆細密画」を極めることにしたのだ。人物、静物、風景をバランスよく描きながら「これが自分の絵」というものを探してゆくのだ

そう、オヤジはこの2月についに「還暦」を迎えてしまったのだ。格好つけた1枚を記念に撮っておいた。これからは毎年誕生日に葬式用の写真を自撮りしようと密かに思うのだ

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暖かい日が続くので2月なのにもう雪が溶け始め下の枯れ草が顔を出してきた。

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この枯れ草が複雑に絡み合う光景になぜか惹かれる。彼らは春を待っているのではない。すでに自らを放棄した草の骸なのだ。しかし身を捨てて成した種や眠る根は、次の春には芽吹き、この骸を糧に新しい息吹を放つのだ。画力が伴わないが、リアリズムを求め修行中のオヤジには、願ってもないモチーフなのだ

ヤフーオークションで落札したイーゼルが届いた。物の価値を知らない古道具屋のおかげで税込み定価46,980円のホルベイン製高級イーゼルがなんと5,000円で落札できた。

さっそく撮ってきた写真をモノクロに変調し描き始める。

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お気に入りの音楽を聴きながら描いている

「素描」ではなく「リアリズム」の技法を駆使ながら描き込んでゆく。モノクロ写真と見紛うような絵が描きたいのだ。

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鉛筆は三菱鉛筆のUni とHi-Uniを使っている。ドイツ製も試したがオヤジには国産の鉛筆の滑りがあっているようだ。ちなみにHi-Uniには22種の硬度ラインナップがある。グレースケールを作って絵を描いているがとうてい使いこなせるモノではない。実はコレクターとしての満足の為に大人買いしただけなのだ

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正月から作っていたサラミが食べ頃になってきた。例年は秋口に仕込み、正月に食べられるようにしているが、今年の出来の良さについ気をよくし、真冬に作ることに挑戦した。サラミも生ハムも風に晒し数ヶ月間乾燥させ熟成を待つので、この時期信州の冬では寒すぎて、外では風乾できない。そこで使っていない部屋に吊して熟成させてみたところ、気温が安定し、湿度も低かったので短期間で良い感じの熟成が進んだ。6本作ったので春まで旨いサラミを味わう楽しみが続くのだ

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薄くスライスし、室温に馴らすとじわりと旨い脂がにじんでくる

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ピザトーストを作ってみた

  あれこれ食べるものはあって風の一日  種田山頭火




草の骸を描き続けてすでに1週間が経つ。なかなか完成が見えてこないが、そこがまた楽しいのである。雪が溶け始め再凍結した際に出来る小さな氷の粒を一つ一つ描いてゆく。数百個あるのだから簡単なことではない。素描であれば鉛筆の濃淡と消しゴムのあたりで表現するが、リアリズムに拘るオヤジは一つ一つ描いている。老眼の目がかすみ、肩が固まり、腕も指もこわばってくる。でも楽しいのだから仕方がない

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オヤジは以前から還暦を迎えたらやろうと心に決めていたことがある。「献体登録」である。

家族とは話し合いをし、了解は取っている。いざ還暦を迎え、信州大学医学部の献体受付に申し込みをするとやはり身が引き締まる。実際に登録されるまでには1年近くかかるようだが「この一年間、ご家族ともう一度よく話し合ってください」と語る電話の向こうの女性の言葉が心に重く残った。

   「死して我が身体は一塊の肉となり 明日の学びの糧と為す
                     そして我が魂は 悠々と 悠々と」


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デッサンとタブローのはざまに

  庭石の かげろへる 静か鳥影す   種田山頭火

  「静かな絵」が好きである
   私にとって「静か」とは「画面から音が響いてこない」ということである。


美大を出たが画家にはなれなかった。舞台美術を専攻したが結果はプロダクトデザインに行き着いた。
第二の人生を目前に縁あって障害をおもちの方々の就労支援を、時間を見てお手伝いすることになった。長い企業経験を活かし面接の受け方から企業での仕事の仕方、「ホウ・レン・ソウ(報告、連絡、相談)」などの基本を指導している。

しかし障害の程度により就労を希望しても、なかなか希望が叶えられない方々も多い。そんな方々に人生の目標を持ってもらえればと絵を教えるようになった。

デッサンを教えてはいるが、実はもう20年以上アカデミックな絵を描いていない。口で伝えるより、実際に描いて伝えた方がわかりやすいのは自明の理である。実際に描いてみたら・・描けない!情けないぐらい腕は錆び付いていたのだ。

まずはチラシの裏にちょろっと描いてみた。描けない、戸惑っている、アカン!

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それから毎日毎晩、僅かな時間でも描くようにしている。身体は正直だ。訓練していれば昔しとった杵柄、少しずつだが手は動くようになってきた

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画面のトーンが揃わない

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思い描くような絵にならない

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ちなみにこんな環境で描いている
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好きな絵は「写実画」。写真と見まごうような「究極の写実画」が好きだ。学生の頃はちょうどエアーブラシが出始め、写実画に凝っていた。そして時間があればデッサン室に出向き、パンをかじりながらひたすら石膏像と向かい合っていた。

「写実」も最近の画材やテクニックの進化で「スーパーリアリズム」「ハイパーリアリズム」となり、もはや恐ろしい描画力である。本当に筆と絵の具で描いているのかと、絵を知っている私でも凝視してしまう。

私が好きな作家は私に写実画の素晴らしさを教えてくれた「アンドリュー・ワイエス」

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 「クリスティーナの世界」 この絵が私の世界を広げてくれた

マドリード・リアリズムの画家「磯江毅」
惜しくも若くして亡くなられた

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 この絵はワイエスへのオマージュとして同じポーズで描かれた鉛筆画

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 これは凄まじい画力だ

そして巨匠「野田弘志」

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 無音の音が響く 画伯の画集を模写しながら日々研鑽している

それなら写真で良いじゃないかと言われる方は是非実物を鑑賞して欲しい。写真と違いすべての画面にピントが合っている。そしてその絵を仕上げるまでに費やされた膨大な時間と、表現する為に培った画家の努力。作品の前では「すべての音は響かず、その世界に畏怖すら感じる」

私のテクニックではどれだけ膨大な時間をかけても表現できない。今は黙々とデッサン(習作)に励んでいるが、いつかタブロー(完成作)に至れるのならば、その狭間に何を見て、そして響かない音を聞くことが出来るのだろうか



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   わたしひとりの音させてゐる    種田山頭火

プロフィール

cjjfish

Author:cjjfish
信州からオートバイ乗りのオヤジがツーリング、燻製作り、家庭菜園のことなどを種田山頭火の句と織り交ぜ書き連ねます

  山あれば山を観る
 雨の日には雨を聴く
    春夏秋冬
  あしたもよろし
  ゆうべもよろし
すなおに咲いて白い花なり

   種田山頭火

Twitter つー坊 @cjjfish

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