スタインベックの「朝めし」に出会い 「燻製作り」を趣味とする

   空腹かかへて 落葉ふんでゆく  山頭火

私が燻製作りを趣味としてもう20年近く経つが、なぜ燻製に興味を持ったのかというと、スタインベックの「朝めし」を読んだからである。
開高健が、何の文章だったか「この世で一番旨そうな朝飯を書いた小説」と絶賛したスタインベックの「朝めし」わずか3ページの短編だが食いしん坊にとって「珠玉」と呼ぶにふさわしい短編なのである。

青年がアメリカ南部の朝の風景を語っている。朝日が昇り、凛と冷えた空気の描き方が素晴らしい!目に浮かぶようだ。
そして貧しい綿摘みの季節労働者家族のテントに立ち寄る。ちょうど彼らは朝食の準備をしている。ベーコンと焼きたてのパン、そして熱い珈琲だけの朝めし。

朝のすがすがしい空気に満ちる焼けたパンとベーコン、そして珈琲の臭いがリアルな文章でかき込まれている。

家長である男が「朝飯がまだなら食ってゆくかね」と誘ってくれる。青年はそこでその質素な朝食をごちそうになるのである。

自らの脂の中で身をよじり、焦げる、焼き上がったベーコン、そしてその油をたっぷりとパンにかけ、男達はむさぼるのである。
彼らはベーコンとパンを口いっぱいにほおばり、何度もかみ砕いてのどの奥へと送り込む。この描写を読んでもまだ朝食を抜く若者がいるとしたら、尿酸値が若干高めのオジサンは日本の将来に大きな不安を抱くのである。

 「ベーコンの焼ける臭いが沸き立つ文章に、おなかを鳴すことは恥ずかしいことではない」

焼きたてのパンをベーコンの脂で食べたい!「旨い脂をしたたらせる、健全なベーコン」を食べるなら自分で作るしかないだろう。食いしん坊は単純にそう思ったのである

燻製を私の趣味にさせた経緯はこんな簡単なことなのである。しかし人生に大きく関わる小説に出会うと言うことは、十分に感動して良いことなのである。

IMG_1274.jpg
        「自家製ベーコンが纏う黄金の脂じゃ」

このブログを読んで「スタインベックの朝飯を読みたい」と思った方は、こちらに原文と対訳を載せたブログがあります。素晴らしい対訳で、おなかがすき、爽やかな気持ちになれますので是非!
         http://haruuo3.blogspot.jp
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信州からオートバイ乗りのオヤジがツーリング、燻製作り、家庭菜園のことなどを種田山頭火の句と織り交ぜ書き連ねます

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